すれ違う人たちは、俺たち二人を親子と思っているに違いない。
喫茶店では、俺はブレンドコーヒーとショートケーキのセットを頼んだ。
舞ちゃんは、カフェオレとパンケーキだ。
会話なんて弾まない。二言三言を交わしては、お互いに沈黙を繰り返した。
でも、これと言って、居心地が悪いわけでもない。
舞ちゃんも、不機嫌な様子は見当たらない。
きっとこれが、俺たち二人の波長なのだろうと思うことにした。
デザートを平らげ、お互いの自己紹介をしただけで、1時間以上が過ぎ去った。
すっかりオジサンだから羞恥心というものがマヒしているのか、それとも、どこかで『所詮、出会い系でのデート』と冷静に割り切っていたのか、はっきり認識していたわけではないが、すんなりとホテルに誘うことが出来た。
舞ちゃんは、やっぱりコンビニで会った時と同じく、屈託のない瞳のまま軽く頷いただけだった。
駅前から最寄りのラブホテルまでは、タクシーで10分ほど。
二人で何を話していたのだろう。まるで覚えていない。
舞ちゃんは、地方から出て来て、この町の短大に通っているという。
服装も質素ではないが贅沢でもなかった。
ワンピースの上に薄手のピンクのセーターを羽織っていた。
ホテルの部屋に入った。
とりあえず、二人で肩を並べてソファーに座った。
所在無げにテレビの電源ボタンを押した。
点いた画面では、男と女が交合している。
次ページへ続きます
