彼女、「そうね、マズイかも。でも、もう彼は帰って来ないの」
私、「・・・」
彼女、「ごめんなさいね、湿っぽい話をして」
「お酒飲むでしょ」
私、「頂きます」
私の頭の中は、「この豪邸は幾らするのだろうか?」
「帰って来ないとは捨てられたのか?それとも・・・」
すると、彼女が「この家は手切れ金として彼がくれたの、その彼は奥さんのところに戻ったは」
私、「今でもその彼のことが好きなんですか?」
彼女、「彼とは長く一緒にいたからね。でも子供が出来ない年齢になって捨てられるなんて思ってもいなかったは」
私、「彼のことを憎んでいる?」
彼女、「妻子のいる人だったから、私が憎むのは筋違い。でも・・・、」
私、「でも?」
彼女、「・・・」
私、「飲みましょう」
彼女、「そうね」
彼女が用意してくれたお酒はどれも高価で私のお店では扱えないものばかり。
彼女の住んでいるのがマンションであったなら住民の移り変わりは激しいのですが、彼女が住んでいるのは一戸建て住宅。
周囲には子育てをしている家庭もいるはず、その環境で子供を諦めた彼女が暮らすには酷なのかもしれません。
彼女は「タクシーを呼ぼうか?」
と言ってくれたのですが、私は始発に乗って帰ることに、近所の手前、彼女が見送ってくれたのは玄関まで。
外から彼女の家を見た私は「すごい豪邸だ、幾らするのだろう?」
駅まで歩きながら不動産相場を調べると「えっ!そんなにするの?」
大衆的な飲み屋を細々と経営している私では逆立ちしても買えません。
それからも店を閉めると彼女が待っていてくれるようになり、私は彼女を家に送るついでにお酒や夜食を頂くと、ある日彼女が「泊まっていって」
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