彼女、「良いお店ね」
私、「ありがとうございます」
彼女、「この世界は長いの?」
私、「10年になります」
彼女、「この街で10年続けられるのは立派よ」
私、「照明を明るくしましょうか?」
彼女、「暗いほうが落ち着けるから点けなくていいわ。営業をしていると思われてはいけないから、シャッターを降ろしたほうが良いですよ」
私、「そうですね」
彼女、「このお店の客層は?」
私、「私より若いお客さんが多いですね」
彼女、「若い子と知り合えて良いですね」
私、「あくまでお客さんですから。自分の彼女にしちゃったらお金儲けできなくなりますよ」
彼女、「女性客からは口説かれない?」
私、「私の歳になると、もうダメですね。若い子にみんな持っていかれます」
私は夜食用に買っておいた寿司をツマミに飲酒。
彼女は何も食べずに飲酒。
明日も仕事がある私はアルコールは薄め。
酔わすために彼女には濃いめのアルコールを勧めたのですが、先に意識が無くなったのは私でした。
気付くと閉めたはずのシャッターから日差し。
時計を見ると昼近く、テーブルには置き手紙があり、それには「私の勝ち」とだけ書いてありました。
二日酔いで出勤。
店に着いた私は彼女に「負けました」とだけメッセージを送ると、暫くして「また飲みに行っても良い?」と返信が届き、私は「いつでも歓迎です」。
店を閉めると彼女が「今日は私が奢る」
付いて行くと紹介がないと入れない店に彼女は顔パス。
彼女は何者?
と思ったのですが、夜の世界で生きる者が詳しく尋ねるのは失礼と思い、再び同じピッチで酒を飲むと2連敗。
二度あることは三度ある。
何度挑戦しても彼女には勝てない。
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