「新作?パン屋さんか何か?」
「うち、ケーキ屋さんなの」
「へぇー!すごいな俺ケーキ大好きなんだよね」
「ほんとに?今度店来てみる?丁度このパイも食べてほしいの(笑)」
「あぁ、感想がほしんだよね?」
「そうそう(笑)」
女との会話の流れは初対面ながら急展開なかたちで、ことが進んだのだが、そのことにすら違和感がないほど、なぜかその女とは自然に会話ができた。
きっとこの女が変な出会い厨でもなければ、寂しがりのメンヘラというわけでもなく、ただただ純粋に新作のパイの感想を求めていたからだと俺は思った。
そして偶然にも家の最寄り駅から20分ほどのところに女の店があったことが発覚し、俺はその日のうち店に行き、女と会いに行った。
店に入ると女はちょうど黒いベストに白いシャツを着てパティシエ風な風貌で店のカウンターに立っていた。
「パイ、まだある?」
「えっ?もしかして(笑)来てくれたの?w」
女は少しおどけながらも俺のことに気づいて笑い出した。
そのあと女と新作のパイを食べた後、お互いのことや思いの外家が近いこと、そしてなによりお互いバスケットボールを高校の時していたことなど、共通点などが見つかり、すっかり意気投合して仲良くなった。
それから3回目のデートだった。
彼女が店を終えた18時ごろから二人で映画を見に行った帰りに、ちょっとおしゃれなBRAに入って、少しきつめなお酒をお互いに飲んだ。
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