壁一枚隔てた隣の部屋に、美紀がいる。
そう思うだけで、結衣の心臓はさっきから嫌な音を立てていました。
「……お茶、もう一杯飲む?」
目の前に座る真央が、少し困ったような、でもどこか楽しんでいるような顔で聞いてきました。
真央は香織と違って、ボーイッシュでサバサバした雰囲気の女性です。
「あ、うん。……ごめん、なんだか落ち着かなくて」
結衣が答えると、真央はキッチンへ向かうふりをして、結衣のすぐ隣に腰を下ろしました。
「わかるよ。私も、香織が隣で何してるか考えちゃう。……でもさ、せっかく交換したんだから、楽しまなきゃ損だと思わない?」
真央の顔が、結衣の肩に触れるほど近づきました。
美紀とは違う、少しスパイシーで清潔感のある匂いが結衣の鼻をくすぐります。
「結衣ちゃんって、すごく可愛いよね。美紀が自慢したくなるのもわかる気がする」
真央の手が、結衣のTシャツの上から、そっと胸のラインをなぞりました。
「っ、……真央さん、急に……」
「ダメかな? 私、結衣ちゃんのこと、前から可愛いなって思ってたんだ」
真央の手は、結衣が拒む間もなく、裾から直接肌へと滑り込みました。
美紀の柔らかい手とは違う、少し力強くて節くれだった指先。それが結衣の胸をぐっと掴みました。
「あ、んっ……」
「へえ、ここ、もうこんなに反応してる。美紀に触られてる時も、こんな声出すの?」
真央は、美紀との仲をわざと引き合いに出しながら、結衣の先端を親指と人差し指で挟み、じりじりと捻るように揉みしだきました。
これが胸への前戯でした。
結衣は裏切りへの罪悪感を感じながらも、真央の慣れた手つきに、身体がどんどん甘く疼いていくのを止められませんでした。
「ねえ、隣の音、聞こえる?……あっちも、もう始めてるかもよ」
真央が結衣の耳元で意地悪くささやくと、結衣のナカがキュンと引き締まりました。
真央はその隙を逃さず、結衣のショートパンツに手を伸ばし、下着を力強く引き下げました。
「あっ、……だめ、……見ないで……っ!」
「無理。こんなにびしょびしょなんだもん。ちゃんと見せてよ」
真央は結衣の脚を無理やり割り込ませて開くと、三本の指を揃えて、一気に入り口を貫きました。
「ズチュッ!!」
「あがぁぁッ!! ……真央さん、……はげし、……すぎ……っ!」
真央による手マンは、美紀のそれとは比べものにならないほど激しく、乱暴でした。
ナカをかき回すたびに「ズボボボッ! ズチュチュッ!」というえげつない音が響きます。
「もっと奥、欲しいんでしょ? ほら、ここか!」
真央がナカのコリコリとした突起を激しく弾いた瞬間、結衣の視界が真っ白になりました。
「あ、……あぁぁッ!! くる、……出る、……変なのが出るぅぅッ!!」
結衣の絶叫とともに、ナカから熱い飛沫が真央の手を弾き飛ばし、シーツを水浸しにするほどの勢いで噴き出しました。
「ぶちゅぅぅッ!! どぴゅ、どぴゅぅぅッ!!」
強烈な潮吹きでした。
結衣は腰を激しくガクガクさせ、真央の腕にしがみついたまま、何度も空を仰いで震え続けました。
「いい声。最高だよ、結衣ちゃん」
真央は汗ばんだ結衣の首筋を舐め上げると、そのまま顔を股間へと埋めました。クンニの開始です。
「ん、……じゅる、……んぐぅっ!」
真央の少しざらついた舌が、潮を吹いてヒリヒリするほど敏感な場所を、容赦なく吸い上げます。
「あ、……あぁーーーーッ!!」
結衣は真央の短い髪を掴み、狂ったように腰を突き上げました。
やがて真央も自分の服を脱ぎ捨て、結衣の上に重なりました。
「美紀のことなんて、もう忘れちゃいなよ。今は、私だけを感じて」
真央はそう言うと、結衣の場所に自分の場所を強く押し当て、左右に激しくこすり合わせました。
貝合わせです。
「じゅる、ぐちゅ、ぐちゅぅぅ……」
女性同士の熱い場所が擦れ合い、結衣の潮と真央の蜜が混ざり合って、白く泡立っていきます。
「真央さんの、……ここ、……硬くて、……熱い……っ!」
「結衣ちゃんのナカも、……すごく締まってて最高……っ」
二人は互いの胸を揉み合い、獣のような喘ぎ声を上げながら、夜が明けるまで何度も腰をこすりつけ合いました。
数時間が過ぎ、部屋には生々しい匂いと、しぶきで汚れたシーツだけが残っていました。
結衣は真央の腕の中で、壁の向こうにいるはずの美紀を思いました。
でも、その思いは、先ほど味わった強烈な快感にかき消されていきます。
「ねえ、明日もまた、いっぱい潮吹かせてあげるね」
真央が結衣の首筋にキスマークを刻みながらささやきました。
結衣はもう、美紀の優しい愛撫だけでは満足できない身体に作り替えられようとしていました。
一週間の同棲生活。
それは、二組のカップルにとって、元の関係を完全に壊してしまうための、残酷で甘い時間のはじまりでした。
