数年間まで自宅に引きこもり生活を謳歌していたおとこ、仁。
年齢は今年で30歳を迎えていた。
もちろん、仁に恋人、ガールフレンドと呼べる相手は皆無。
女性と手をつなぐことは愚か、デートすら経験がない。
そんな仁の生活は荒れていた。
友人たちも、彼に恋人ができたら変わるんじゃないのか…
と言って、誰かいい人(女性)はいないものか…とキョロキョロとしていた。
仁の人柄は決して悪くはないものの…
人柄だけではどうも異性にはもてない…
そんな悶々とした日々を過ごして早5年目が経過していた。
部屋にはコミックの山ができ、いわゆる男のオタク系特有の部屋と化してきた。
母親は息子が可愛いものだからいつまでも、赤ちゃん扱いをしており、いつまで経過しても仁は自立することもない。
そんな仁にも母親にさえ言えない秘密がある。
それは、出会い系サイトで遊んでいるということ…
別に母親に言う必要はないので、黙っていたというわけ…
そんなある、彼にとって朗報が舞い込んだ。
仁と外でデートしてくれるという異性が現れた。
相手は年上のおねいさん。
聞くと、なにやらバツイチ女性らしい。
待ち合わせ当日まで仁は服装から身だしなみに至るまで、あれこれ悩みいろんな商品を買ってきては試してみた。
ヒゲを剃る、メガネからコンタクトへ、歯磨き、ヘアスタイル、家でいる時の彼とは別人のように仕上げてから自信を持って彼女と待ち合わせした。
一方彼女の方は、いたって普通のスタイルの女性、こんな俺でいいのかな…
彼女の目的は、エッチだった。
とりあえず誰でもいい様子で、欲求不満の解消、女として扱ってもらいたいと思っていたらしい…
ホテルに誘ってきたのは相手の方だった。
早速ホテルへと入るふたりは、いそいそと服を脱いでベットにあがった。
ベットの上でふたり対面しながら、照れたり笑ったりしてお互いの体を与え合う。
慣れていないふたりのエッチの流れはそれはそれでよかった…
キス、キス、キス、遠慮気味になりながら、体を前のめりにしてキスされた。
女性の方は積極的で慣れており、慣れない俺の手を導くようにして胸へと誘導した。
暖かい肌、ふくよかな胸、女の体を手で感じていた。
そうして、俺は女性の身体に覆い被さるようにしながら、ベットへなだれこんでいく。
彼女の体の上に覆いかぶさり、そうしてキス。
小さくまとまる彼女の体を上から眺めた。
いい体だ。
白い下着をとり、コミックのとうりに女の両足をマングリ変えししてみた…
はあ…これが女というものか…
俺はこの時まで生きていてよかったなと、思った。