その日から俺とその子は毎日のようにラインをするようになり、ついにその子とデートすることになった。
初めてのデート。
駅前に立つ黒いニットを着た長い金髪を伸ばしたその子はスマホの画面を見ながら待っていた。
マジでかわいい……。
内心ビビりながらも俺は声をかけた。
「よー」
「あw会えたねー。なんか思ったより背低いね」
なにぃぃぃ。
ストレートなコメントに最初は傷ついた俺だったが、そのあと一緒にランチを食べたり、カラオケに行ったりすると、いつも思ったことをズバズバ言う子なんだな、と改めて理解した。
カラオケで隣に座って歌っているその子の黒いニットが盛り上がった胸から俺は目が離せなかった。
俺はハイボールでその子はカシスオレンジなど何杯も飲みながら歌っていたので、お互い顔を赤くして何だかうっとりしてきた……。
自然にお互いの肩が当たる。
そのまま当たったままお互いもたれかかっていく。
「……んー?」
その子もその気なのか、歌い終わったマイクを置いてゆっくり重心を俺の方へ掛けてきた。
彼女の金髪の頭が俺の胸にもたれかかる。
「んー。なんか落ち着くね……」
少し甘えるような声で彼女がつぶやく。
首元と頭からシャンプーのような香水のようないい香りがむあっとする。
「うん……」
たまらなくなった俺は彼女の胸に腕をかけてきゅっと抱きしめた。
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