新宿発、郊外行きの深夜バス。
25時を過ぎた車内は、減光された予備灯のぼんやりとした赤みに包まれていた。
新卒1年目の沙織は、歓迎会の二次会で泥酔し、這うようにして最後尾の座席に座り込んだ。
アルコールの回った頭で、窓に額を預けて微睡む。
隣には、グレーのスーツを着た清潔感のある中年男性が座っていた。
「……大丈夫ですか? 水、飲みますか」
それが始まりだった。
男が差し出したペットボトルの水を受け取った時、指先が触れ、沙織の脳裏に微かな違和感が走る。
しかし、その丁寧な物腰と落ち着いた声に、沙織は警戒を解いてしまった。
バスが高速道路に入り、一定の低い振動が車内に響き始める。
沙織は眠気に抗えず、ガクンと頭を揺らした。
その拍子に、彼女の体は隣の男の肩に預けられる形になった。
「……すみません……っ」
慌てて離れようとした沙織を、男の手が優しく、しかし確実に引き止めた。
「いいですよ。眠いんでしょ、預けてなさい」
その「優しさ」は、すぐに形を変えた。
男の手が、沙織の膝の上に置かれた。
タイトスカートの上から、掌の熱がじわじわと伝わってくる。
「……ぁっ、……何、して……っ」
沙織は声を上げようとしたが、男のもう片方の手が、彼女の口を静かに、力強く塞いだ。
「静かに。みんな寝てるよ。……騒いだら、君が一番恥ずかしい思いをする」
男の指が、ストッキングの編み目をなぞるように、内腿を這い上がってくる。
深夜バスの細かな振動が、男の指の動きをさらに複雑に、淫らに増幅させた。
「ん、……っ、んぅ……っ!」
沙織は必死に首を振るが、男は動じない。
男の指は、スカートの裾から、パンティのゴムを容赦なく押し下げ、湿り気を帯び始めた彼女の「急所」に直接触れた。
「……君、酔ってるわりには、ここ、すごく正直だ」
男の指先は、驚くほど熟練していた。
クリトリスの芯を、バスの揺れに合わせて絶妙なタイミングで弾く。
「ぁ……っ、ぁあ……っ!」
逃げ場のない最後尾の座席。
カーテンの向こう側、街灯の光が数秒おきに沙織の顔を照らし、そのたびに彼女の苦悶に満ちた。
しかし悦びに歪み始めた表情が浮かび上がる。
男の指先が鋭く粘膜をなぞった瞬間、沙織は男の掌の中で、最初の一回を激しく果ててしまった。
「あ、あぁっ! ……もう、やめて、……っ!」
沙織の懇願を無視し、男は指を二本、三本と増やし、彼女の中を抉るようにかき回した。
男の掌は、彼女の蜜でぐっしょりと濡れ、指を抜くたびに「グチュッ」という卑湿な音が、バスのエンジン音に紛れて響く。
「ほら、次で降りるんだろ? ……それまでに、もっと感じなさい」
五回、十回……。
沙織はもはや、降車ボタンを押す気力さえ奪われていた。
男の指が動くたびに、腰が跳ね、つま先がピンと伸びる。
他人の気配がすぐそこにある極限のスリルと、男の圧倒的な手技に、彼女の理性は完全に焼き切れていた。
「ぁ、……っ、ん、……また、イっちゃう……っ!!」
十五回目。
強烈な突き上げと共に、沙織は今日一番の深い絶頂を迎え、男の指を締め付けながら何度も何度も果て続けた。
「……次、君の降りるバス停だ。行きなさい」
目的地に着き、ドアが開く。
男は何事もなかったかのように手を離し、ハンカチで自分の指を拭った。
沙織はガクガクと震える膝を必死に抑えながら、バスのステップを降りた。
冷たい夜風が、湿った股間に染みる。
走り去る深夜バスのテールランプを見つめながら、沙織は愕然としていた。
名前も知らない男に、わずか三十分の間に、これまでの人生で一度も経験したことのないほど淫らに「女」にされてしまったことに。
家に向かう夜道。
沙織は自分の指で、まだ熱く疼いている場所をなぞった。
そこには、男の指の感触と、自分の蜜がべったりと残っていた。
彼女は、明日また同じ時間のバスを待ってしまう自分を、予感せずにはいられなかった。
