ワクワクメールにはこらからはもお世話になりそうである。
"「久しぶり!」
聡子はソファに座るなり、ふいに俺の唇を奪った。
軽い挨拶のキスのつもりかと思ったが、聡子はそうではなかったらしい。
積極的に舌を絡ませようとして、半ば強引にねじ込んでくる。
言葉には出さないが、それが聡子の意思表示なのだと感じた。
「早く抱いてほしい…!」
そうか、もう、あれから1ヶ月…。
ふと、俺の意識は1か月前の聡子との最初の逢瀬に飛んだ…。
聡子との出会いは、ワクワクメールでの掲示板だった。
面白半分に「コロナ疲れにマッサージしてほしい人!」という内容で掲示板を出したところ、そこに反応してくれたのが聡子だった。
聡子は病院勤めで、夜勤が続くことも多いらしく、本当にマッサージしてほしいという気持ちもあったようだが、俺が掲示板に託していた、本当の意味も敏感に感じ取っていたようだった。
速攻でLINEを交換し、やり取りを続ける中で聡子は「ねぇねぇ、どこでマッサージしてくれるの?」と聞いてきた。
俺は、「そうだなぁ、せっかく会うならちゃんとマッサージしてあげたいから聡子がリラックスして、寝ころべるくらい広いところがいいんじゃないかな?(笑)」
と、暗にあったら即ホテルへ連れ込むことをほのめかしてみた。
すると、聡子は驚くようなそぶりも見せず、「え~?一体どこへ連れて行こうとしてるのよ~?(笑)」と返してきた。
この時点で、もうお互いに『会ったらセックスする』ということを認識している。
出会い系でのやりとりでは、こんな「茶番」じみたことにも楽しんで付き合えることが大事だ。
露骨に最初から「セックスしよう」と言ってもそれに応えてくれる女性は皆無である。
そうやって、茶番を楽しんだ後、俺は先月初めて聡子と出会った。
約束の時間にお互いの車がわからず、ちょっと焦ったが無事に合流。
すんなりラブホテルへ移動した。
もう、ここまできたらセックスは確定だが、約束は守る。まだ茶番は続くのだ。
俺は少し話した後、聡子の肩を揉んで、背中も押してあげた。
彼女が「気持ちいい…」と言い出したところでベッドへ移動するように促す。
「もっとしっかりマッサージしてあげるよ」
すると聡子が「しっかりマッサージしてもらったら、あなたが汗かいちゃうよね。」と少し真顔で伝えてきた。
続けて、「シャワー浴びてきたら?私も浴びてくるから」と言ってきた。だんだんエロスイッチが入ってきたらしい。
お互いシャワーを浴び、聡子にうつぶせになるように伝える。
最初はバスローブの上からしていたが、持参していたオイルを使う、という名目でバスローブを背中が出るくらい脱がせ、ゆっくりとマッサージする。
時折、背中から体の側部、乳房の横に触れるような、触れないような微妙な触り方もしながら…。
マッサージを受ける聡子の声が、更に少し悩ましくなってきたのを感じ取ってきたところで、突然マッサージを終えて、俺は彼女の横に寝そべった。
そして彼女をじっと見つめる。
すると、彼女はおもむろに起き上がり、俺の上に覆いかぶさってきた。
そして、濃厚なキス。
「電気消していい…?」
本当はちゃんと彼女の肢体を見たかったのだが、最初なので我慢した。
彼女はパネル操作をした後、俺の体を弄び始めた。
首筋から乳首、脇腹、と彼女の舌が生き物のように俺の体を動き回る。
そして、彼女は固くなってる俺のアソコを一気に咥えこんだ。
「…めっちゃ気持ちいい」
俺は思わず声に出してしまった。
それくらい、彼女の舐め方は素晴らしかった。
気を良くした俺は、マッサージ以上に、彼女の全身を愛撫しまくった。
そして、いよいよ挿入という時。
「いいよ?そのままで」
思わずためらったが、上気した彼女の声と、彼女の体から立ち上る妖艶な誘惑に、俺は負けた。
思い切り、彼女の体の奥深くへ突き刺す。
そして、お互いの欲望のままに踊る。
卑猥な肉と肉がぶつかる、こすれあう音が暗い部屋に響き渡る。
どれくらいの時間、快楽をむさぼっていただろうか。
俺は聡子の体内奥深くに欲望を吐き出した。
ちょっと恥ずかしいくらいの量だった。
倒れ込むように彼女の横に移動し、ピロートーク。
聞けば、彼女は出産した経験があり、その後の事情で子宮を摘出していたとのこと。
「そうか、だから部屋を暗くしたかったのか…」
しがみついたまま休んでいる彼女を見て、俺は彼女が執拗に部屋の暗さにこだわった理由を理解した。
その後、俺と聡子は時間がくるまで2回お互いを求めあったのだった。
「…そうだ、そんな激しい生中出しをしたんだった」
意識が現在に戻ってきた。
聡子は、ソファで隣に座っていたところから動いて、俺にまたがってずっとキスをしている。
「そんなに求めているなら、もっと早く時間作ってくれたらよかったのに」なんて、ちょっと意地悪な考えもよぎったが、目の前で一心不乱に俺を求めてくれている聡子は可愛く思えた。
彼女の手がだんだん俺のズボンとベルトに伸びる。
今日は、シャワーも浴びさせてくれない様子だ。
今日も俺は彼女の体奥深くへ打ち出すのだろう。
聡子はもしかしたら、過去の経験から、何か、彼女自身に足りないものを感じているのかもしれない。
その穴埋めが、今は俺だということか。
俺も今はそれで満たされている。
こんな出会いがあるから、出会い系サイトはやめられないのだ。
ワクワクメールには今度ともお世話になりそうである。"