私の胸は彼の唾液でいやらしく光ってた。
"彼との出会いは出会い系サイトで出会った親友の結婚披露宴でした。
年下の新郎の友人達が沢山来ると親友に聞かされて、年下好きの私としては正直少し素敵な出会いを期待していました。
いつもより気合いを入れてメイクをして、ヘアスタイルも美容室でばっちりセットしてもらって、準備万端で会場へ。
感動的な式と披露宴が終わり、私はちょっとタイプの男性を見つけました。
二次会にも参加した彼は背はそんなに高くないけれど、ジャニーズ系の爽やかイケメンでした。
彼とちゃんとお話することができたのは、三次会のカラオケででした。
お酒が回って火照った体を冷やそうと一人でロビーで休んでいると、数人の新郎側の男子が様子を見に来てくれて少しの時間世間話をしました。
その中には気になる彼もいました。
そろそろ部屋に戻ろうかと皆が立ち上がったとき、意中の彼が車に忘れ物をしたから一緒に来てと私に言いました。
私は彼の後についていき、若い独身男性が乗るには大きすぎる車の中へ誘導されました。
はじめは本当に探し物をしていたけれど、少しすると眠くなったと言って後部座席のイスを倒してそこに横になりました。
そして隣においでと言われ私も彼の隣に横になりました。
心臓はドキドキ速く脈打っているのに、頭は妙に冷静で変な感覚でした。
しばらくの沈黙の後、どちらからともなくキスをしました。
最初はお互いの気持ちを探るかのような静かな柔らかいキス。
だんだん激しく情熱的なキスに変わり、彼の手が私の胸へと伸びました。
「あっ、ダメだよ・・・」
そう言ってみたけれど、私の体はもう彼を受け入れる準備はできていました。
彼の顔が私の顔からゆっくり下へ移動し胸の前で止まり、私の胸はかれの唾液でいやらしく光っていました。
そしてかれの手がもっと下へ移動しようとしたとき、冷静な私がそれを止めました。
このまま先に進んでしまったら、軽い女だと思われてもうきっと次は無い。
そう思ったのです。
「皆のところに戻らないと」
そう言って興奮した身体を無視し、服を整え車外に出ました。
お店の前には友人達が集まっていました。
どうやらお開きの時間だったようで、幹事に料金を支払い皆帰り始めました。
私は家の方向が一緒の友人に乗せていくと誘われましたが、彼とこのまま連絡先も交換せずにお別れするのが嫌だったので、車に戻りどうやって帰るのか聞くと、このまま車で寝ると返事が返ってきました。
私は迷いながらも彼と車で一晩過ごすことにしました。
もちろん体の関係を持ちたいからとかではなく、酔った彼を一人にしておくのが心配だったからです。
車に戻ると彼はまるで私がそうすることが分かっていたかのように、平然とした顔をして再び私を抱き寄せキスしました。
濃厚なキスを繰り返す度に私も彼も欲望を抑えられなくなりました。
でも冷静な私がそれを拒み続けました。
そしていつに間にか二人は寄り添って眠っていました。
朝になり彼は私の実家の近くまで送ってくれました。
私は車の運転の仕方でその人の本性が分かると思っているのですが、彼はすごく優しい人なんだと思いました。
家の近くの空き地に車を止めて、連絡先を交換して、お礼を言い車から降りようとすると、彼が私の腕を掴んで引き寄せ優しくキスをしました。
最後のキスで私は少し安心したのを覚えています。
きっとまた会ってもらえる、そういう気がしたからです。
その日のうちにメールがきて、また会う約束をしました。
それから数日後の夜に電話がかかってきて、今から会いたいと言われ会うことになりました。
一人暮らしのアパートに来るって事は、今日こそ拒む理由は無くなると思い覚悟しました。
彼が部屋に着いてしばらく世間話をしていましたが、ふと会話が途切れて彼と目が合いました。
そしてお互いの顔がゆっくり近づきキスをしました。
そして彼がズボンを下ろしパンツを脱いで言いました。
「舐めて」
私はぎこちない動きで彼の要求に応えました。
その後二人はベッドに移動して、我慢していた欲望を一気に発散させるかのように激しく求め合いました。
その夜は彼の腕枕で眠りました。
朝方早くに目が覚めた私は、思い出に彼の横顔を刻むように、彼が起きるまでずっと見つめていました。
彼が本気じゃないこと、今日で会うのが最後だと分かっていたからです。
私の予感は当たり、その後何度か電話やメールをくれたものの、だんだんとその頻度は少なくなり、自然と連絡は途絶えました。
私からも追いかけませんでした。出会い系にもハマってましたし。
一度きりの関係だったけど、私にとっては素敵な思い出でした。
彼との思い出は、まるで線香花火の様に短く儚い時間でしたが、私には今でも綺麗に輝いて見えるのです。
今は結婚して子どももいる私ですが、たまに彼との思い出が蘇ってきて胸がぎゅっと締め付けられることがあります。
どうか彼も今、幸せでありますように。"